電力自由化によりスマートハウスの重要性が高まる?

住宅業界でも、電力自由化に伴い、更なる展開が期待されます。

ここ数年、住宅業界では、ゼロエネルギー住宅や太陽光発電搭載住宅、スマートハウスなど、光熱費を節約・ゼロ化する住宅の供給に注力する傾向が強くなっています。

電力自由化へ向けて、改めてエネルギーを絡めた住宅供給を考えて行く時期だと言えます。

◆電力自由化後には、HEMSが活躍する

●家庭によって電気を多く使う時間や、使用頻度の高い家電製品は違いがあり、各家庭により自宅の電力使用状況を細かく把握する必要!!

電力小売り自由化に向け、電力会社では、各家庭にスマートメーターを設置していく計画です。

ちなみに、中部電力管轄の地域では2023年までには全家庭にスマートメーターを設置する計画となっています。

スマートメーターでは、電力需要を30分単位で把握し、デマンドレスポンスで電力需要を制御して、発電コストを抑える仕組みです。

ただスマートメーターでは、家全体の電気使用量しか把握できないため、各電気機器や部屋ごとの電気使用状況を把握するには、HEMSによるエネルギー消費の「見える化」が求められます。

大手ハウスメーカーの多くが、積極的に設置しているスマートハウスの要の部分です。

●電力使用を「見える化」するために、新築でなくてもHEMSを導入というニーズも出てくる?

効率良く電気を購入するために、既存住宅でのHEMS設置ニーズも増えそうです。電力消費が多ければ、省エネ化を目指しての断熱リフォームや創エネも含めたリノベーションに進んで行く可能性もあります。

●大手ハウスメーカーが新電力企業に登録!どのようなサービスを行っていくのか?

ミサワホームは、3年前の11月に新電力の届け出を完了して、今は同社が物流センターの屋根などに設置したメガソーラーで発電した電力を、自社グループ内の事業者へ供給しています。

自由化後には、家庭向けへの電力小売りも検討しているようです。

大和ハウスでは、大型マンションを対象とした一括受電や、自由化後に同社管理の賃貸住宅の入居者向けに、電力販売を行う新会社を設立しました。

管理会社ならではの電力供給サービスが出来るということです。

どちらも電力を安価に提供しようという方向性で進めて行くようです。

つまり住宅購入の段階で、例えばその会社が電力を高く買ってくれるとか、安価な電力供給が可能であるという差別化を図れば、住宅会社選びにおいてもエネルギーサービスが注目を集めると思います。

◆スマートハウスの重要性が高まる

●住宅メーカーのゼロエネルギー住宅や、スマートハウスの自由化後の展開!

住宅会社は、省エネルギーな住宅を供給することは必須になると思います。

2020年には改正された省エネ基準の新築住宅が義務化となります。大手は既に、ZEH(ネットゼロエネルギーハウス)というゼロエネルギー仕様の標準化に向かっています。

例えば、積水ハウスの「グリーンファースト・ゼロ」という商品は、ZEH仕様で売り出しています。今年度の当初目標は70%程度ですが、既に全体の79%程度まで普及と、ZEH仕様が主力となりつつあります。

また太陽光発電の搭載率は、高いメーカーは新築の8割以上、低いところでも大手では5割程度に達しています。

蓄電池となると、セキスイハイムが4割くらいと最も高い採用率ですね。

発電と同時に発電時に出た排熱も回収して使う総合効率の高いエネファームも、積水ハウスや住友林業では5割以上で採用するなど、メーカーによって搭載率も様々です。

●スマートハウスやZEH仕様の住宅で、ゼロエネルギーが実現可能に!

スマートハウスというのは、定義がはっきりしていませんが、ZEHに関しては、例えば、家電の消費電力を含む試算値と、家電を含まない試算値とで、明確に表しています。

会社によって定義はことなりますが、HEMSを設置している

実邸のデータに基づいて分析したものとして、達成率を出しています。

例えば、セキスイハウスではオーナー(太陽光とHEMS設置)の家電の消費電力を除いた2014年度のZEH達成率は69%です。

これを2016年には100%に持って行くと目標を掲げています。

一方、家電の消費電力も含むZEH達成率は26%ですが、但し前年よりも比率は倍増しています。

この家電含むベースで、2020年にはZEH標準化を目指しています。

●建物構造の断熱性を最優先にし、それから省エネルギー性能の高い設備や太陽光発電を使って、ZEHを達成して行くこと。

電力を使うよりも作る方が多ければ、ゼロエネルギー住宅となります。

HEMSを使って、より賢い電力サービスを選ぶことも出来ます。

これからはHEMSを搭載するスマートハウスが主流になっていくはずです。

伊藤建設でも先日、ネット・ゼロ・エネルギーハウス支援事業の認定工務店の認可も受け、今後はゼロエネルギー住宅のご提案を行っていく予定です。

しかし、まだまだHEMS導入の為の初期コストは高く、導入することによって住宅取得者が費用対効果を考慮したメリットを得られるか難しいところです。

但し今後、HEMS導入の初期コストが低くなっていけば、電力の自由化によりスマートメーターがほぼ全家に普及する事を考えると、新築の際には、HEMSの導入が自然の流れになりそうです。

 

〈write:せんむ〉

 

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