東京都庁とか、様々な有名な建物を設計して来た丹下健三さんの建物がまた一つなくなりそうです。
それが、「赤坂プリンス」
私が学生の頃はあこがれのホテルでした。
建ってからまだ27年、閉館となります。
理由は、競争に勝てなくなったから。
最近では客室単価が最盛期の半分程になっていたそうです。
客室単価が落ちた理由は色々あると思います。
インターネットの普及で価格の叩き合いが進み、こんな時代を予測していなかったホテルは生き残れなくなったのでしょう。
では、建築の観点から見ると、どのような問題が指摘されたのでしょうか?
それは、「 天井の高さ 」 だそうです。
赤坂プリンスの天井高は2.4m、確かに現在の住宅よりも低いですね。
最近のホテルでは、2.6~3.0mの高さが有ります。
でも、この高さには丹下健三の設計思想がしっかりと有りました。
その考えとは、
        「ベッドで休んだ時に、天井が高すぎると落ち着かない。」
と言う事。
このような、しっかりとしたスケール感が、ホテル経営には足かせとなったようです。
天井の高さをこだわる建築家は他にもいます。
20世紀の巨匠、フランクロイド・ライトもそうです。
ライトは、場所によっては2.1mの天井高さしか取らなかったようです。
そのかわり、窓等にはとても工夫をしています。
赤坂プリンスの丹下健三も一緒で、入った時にベッドが見えずソファーを見えるようにこだわったと言う事です。
商業的な建物ですから、それがお客様に受け入れられなければ失敗と言う事になるでしょう。
でも、そのようなこだわり、私は好きです。

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