先日、3階建ての家の実大振動実験で、
3階建ての家が倒壊したということで結構な話題になっています。
実大振動実験とは、実際に試験場に実際の建物を造って地震の震動をさせるという、
ダイナミックな実験です。
2棟同じ形の建物を建てたのですが、構造強度を変えています。
強い建物Aと、弱い建物Bです。
強い建物は、1.44倍の強度を持たせたとか。
この強度には余裕が有るので、規定強度で使用される人工地震波の1.8倍の強さを与えました。
もちろん、建物は残るだろうという予想の元です。
壊れても、弱い建物Bかな?
と思っていたら、強い建物Aが倒壊、弱い建物Bが残ったのです。
それだけでは終わりませんでした。
強い建物Aは、長期優良住宅に対応した強度まで持っていたのですが、
それが倒壊したのです。
そして、報道が動きました。
テレビや新聞で
「『長期優良住宅』の基準を満たす住宅が倒壊」(日本経済新聞)
と出たのです。
このことに、防災科学技術研究所や木を活かす建築推進協議会が公式見解を出すと言う、
ちょっとした騒ぎになってしまいました。
それにしても、この建物の構造が問題だと思います。
写真は載せられないので、絵にしました。
倒壊の絵
みていただければわかると思いますが、
1階部分の一つの角がまるっきりの解放となっています。
このような形は、阪神大震災の時にも壊れた率は高かったはず。
それをあえて、余裕が有るからと行ったというのは、構造屋の自信過剰だと思います。
私は、2階建てでも、こういう構造は危ないですよと言っています。
計算だけでは、うまくいかない良い例のひとつですね。

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