お家の柱が立って、屋根などができてくるとお家をガッチリと強くしてあげます。そのための耐力壁の話です。

耐力壁って何?

木造の建物を建てた場合、家の強度を増すために耐力壁という壁を作ります。簡単に言えば、強い壁を作ってその家を強くするということです。

この耐力壁には大きく分けて2種類あります。一つは、つっかえ棒のように斜めの木材(筋交と呼ばれます。)を入れる方法と、もう一つは合板(面材と呼ばれます)を貼って強くする方法です。

若草の自邸では、面材をメインに採用しました。

面材は、ハイベストウッド

面材と言っても色々な種類があります。それぞえれが特徴を持っているので、どれが一番いいとは言い難いところです。

有名どころでは「ダイライト」という製品があります。このダイライトは、面材としても強い上に、火にも強いという特徴を持っています。

今回採用したのは「ハイベストウッド」です。ダイライトよりも約1.6倍の強度を出すことができます。ダイライトと比べると火に対して弱いということは有るのですが、外壁側は火に強いネオマフォームで囲っているので問題ないと考えました。

ダイライトを貼りました!

ダイライトを貼ると、このようになります。釘は強度により種類や間隔が違ってきます。今回は、壁強度4倍としたので釘のCN65を外周部100mm間隔、中間部200mm間隔で打っていきます。もう少し弱い2.5倍の場合には、釘がN50又はCN50になります。

「ならば全部強い4.0倍の方がいいのではないか、」と思われるかもしれませんが、壁を強くすると基礎などへ力を伝えるホールダウン金物なども強くしなくてはいけなくなり、構造バランスが悪くなる、場合によっては成り立たなくなることがあります。最近は様々な金物が出てきているので収められるのですが、加減も必要かと思っています。

写真でもわかるかと思いますが、ボードとボードの間には隙間を開ける必要があります。聞いているわけではないのですが、建物が自身で歪んだときにそれぞれのボードが当たって外れてしまわないようにするためであろうと思います。特に、コンクリートで作られている建物などは、このようにお互いの構造体で壊してしまわないように隙間を開けることになっています。

ボードの継ぎ目にはテープを貼ります!

耐力壁面材のボードの間にはテープを貼ります。これは、気密を取るためです。テープを貼らなくても気密はある程度出るのですが、今回は建物の形状やサッシなど、気密が出難い要素がたくさんあるので大工さんに無理言って貼ってもらいました。ありがとうございます。

屋内からの眺め

屋内から見ると、このようになります。

抜け感が良いですね。
柱と間柱の間に見える壁のようなものが、今回のハイベストウッドです。

外周部は、ハイベストウッドだけで強度を出すことができるので、筋交は入れる必要がありません。ただし、内部には筋交を利用しています。筋交の方が安いですし、納まりもいいのです。

通常だと、これだけの空間になると途中に梁があったり火打があったりともう少し賑やかになります。

抜け感が良いスッキリとした部屋の理由とは!

なぜこれだけスッキリしているのかというと、それには理由があります。

屋根の部分に24mmの合板を貼り強度を増しているからなのです。今までの12mm合板ではこうはいきませんでした。

この構造に喜んだ方がいました。それは建築士。最近2階リビングが増えています。それも有名な方が2階リビングを採用することが多くなりました。その一つの原因が、ここにあると思っています。

広い空間を、雑音なく作りやすいのです。

しっかりとした構造計算は必要ですが、一つの方法として面白いですね。

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