まだ寒い朝、7時頃から職人さんが集まり始めます。上棟は一人ではできないので、多くの職人さんがお手伝いにきます。この日は8人ほど。棟梁(この建物をメインで作る大工さん)が、職人さんに挨拶しながら温まったコーヒーを渡していきます。3月の上棟は、このような雰囲気から始まります。
上棟の工事を始めるのは、実際には8時半頃からです。クレーンの音や職人の声などうるさいので朝早くは行いません。クレーンのエンジンをかけ、温まった頃に上棟開始です!
上棟開始!
まずは、柱を立てていきます。金物工法なので、土台から出ているピンに柱を入れていきます。
通常の在来木造だと、柱が刺さりにくいので柱を揺らしながら差し込みます。今回の金物工法だと比較的容易に入るようです。
断熱材が届きました!
断熱材のネオマフォームが届きました!上棟の際に断熱材を入れる必要があるため、上棟初日に届きます。
ウィング・トラック1台丸々です。これだけ使うのは珍しいのか、運転手が何を作っているのか聞いてきました。運ぶのが大変そうに見えますが、大量はとっても軽いので比較的容易に運べます。
今回届いたネオマフォームは、壁に利用する80mmと屋根に利用する100mmです。
金物工法
今回採用した金物工法は、柱と梁を金物を利用して繋ぐ方法です。一般的にはホゾを切って繋ぎます。下の写真の右に出ているのが金物の一つです。
下の写真では、上にピンが立っていますね。このようなピンに柱や梁を差し込みます。梁は、左右に出ている金物に引っ掛けるようにしてはめ込み、そこにピンを打ち込んで固定します。
金物工法の一番のメリットは、強度が出しやすいという事です。一般的な在来工法では、ホゾをカットしてしまうためにその部分の強度が落ちてしまいます。金物工法は削る部分が少ないので強度を保ちやすいのです。
防湿シートの先張り
屋内側には、防湿シートを貼ります。防湿シートとは、部屋の中から壁の中に湿気が入ることを防ぐためのシートです。壁の中に湿気が入ると、壁の中で結露が起き断熱材などをカビさせたり、断熱性能が落ちてしまうのですが、それら防いでくれます。
今回の防湿シートはマグイゾベールを採用しました。これは、冬には湿気を壁の中に入るのを防いでくれ、夏には壁の中で起きる結露を防いでくれる優れものです。
冬の結露は壁の中の外壁側で起きますが、夏の結露は屋内側で起きます。その両方を防いでくれるシートです。
多くは、上棟後にこのシートを貼っていくのですが、先に付けた方が工事手間を考えると楽になるということで先に貼りました。
床下地を張った後は下の写真のようになります。ヒラヒラしているのは風のためです。キレイに貼られていますね。これなら、上の階のシートと繋がるわけでは無いのですが、効果ありそうです。
2階床梁
2階床梁も通常とは違う入れ方をしました。真っ青な空がキレイですね!
通常よりも半分の間隔で入れています。その分梁の高さを低くしています。
下の写真を見ていただくとわかりやすいです。写真の右側が今までの梁の掛け方、左が今回の掛け方です。
梁の高さを低くすることで、天井の形を変えたり階高を抑えたりダクトを通したりすることができるようになります。
念の為書いておきますが、これらの構造は構造計算をしっかりと行い検証しているためにできています。見様見真似で行うと失敗します。例えば、床が振動しているように感じるとか、音が響きやすくなるとかです。注意が必要です。
2階の床下地完了
2階の床下時を貼るのが完了しました。床下時は、通常では24mmの合板なのですが、今回は28mmを採用しています。ぱっと見でも厚いのがわかります。
下の写真で行っているのは、合板を汚さないようにするためのシートを貼っているところです。
小屋組(2階の屋根)のための材料が2階床に運び込まれます。金物が凄いですね!
2階小屋組
もうすぐ午後4時。少しづつ日も落ちてきましたが、頑張って2階の小屋組まで進めます。
大まかな形がわかってきたような気がします。
1日目はここまで!
と言っても、まだまだ上棟が完成するまでは先が長い。
次回は、2日目をお送ります。