前回「安全温度計」を作ったと書きました。

すでに進化していて、2号機などもできているのですが、これらについては後日紹介させていただきます。

ところで、ここで疑問に思いませんか?

「安全な気温って何度?」

そうなのです。

意外に気温って知らないんですよね。

なんとなく快適なような、暖房器具の適当な設定に任せてしまっていることが多いのです。

それもそのはず、人は動いている時、お出かけから帰ってきた時、によっても快適な温度は違うからです。

ちょこちょこ、暖房設備の温度を変えている方もいらっしゃるでしょう。

今回は、どのくらいの室温にしておくべきなのか、を書いてみたいと思います。

最適18度以上にはしたい!

一つの目安が「18度」と言われています。

最初は、少し中途半端、
なんで20度にしないの!

などとも思ったのですが、色々なところに出てくる温度なので覚えておきましょう。

例えば、WHO(世界保健機関)のガイドラインには、下記のように書いてあります。

寒さによる健康への悪影響から居住者を守るために、室温 を十分に高くすべきだ。温暖な気候もしくはそれ以上に寒 冷な気候である国においては、18°Cが、冬における多くの 人口の健康を守るための安全でバランスのとれた室温と して推奨される。

WHO Housing health guidelines 2018
以上の日本語訳に対する文責は野池政宏にある。2020 年 9 月

このことについては、勧告強度が「強い」とされています。

イギリスでは「英国保健省イングランド公衆衛生庁: イングランド防寒計画2015.10」で、冬季の住宅内 許容室温を18°C以上と定めています。

日本には、断熱性能の規定はありますが室温の決まりまではありません。

とは言え、室温まで保証するとなるとかなり困難な事でしょう。

18度を下がると、身体的な障害が発生し始めます!

では、18度以下になるとどのようになるのでしょうか。

まず、18度以下になると血圧上昇、循環器疾患の恐れが出てきます。

血圧は、健康のバロメーターの一つ。
それが上がってしまうことは、なんらかの弊害が発生してしまうことも多いようです。

16度以下になると、呼吸器系疾患への抵抗力が低下してしまいます。

18度とは「少し寒い」気温

ところで、18度とは感覚的にどのくらいの室温なのでしょうか?

私の感覚ですが、18度だとそこそこ着ないと寒い室温です。

ずっと18度だと、ちょっと辛いでしょう。

寒い屋外から屋内に入った時には少し暖かく感じるくらいです。

快適には遠い室温だと思ってください。

ただ、1日を通して18度以上になっているお家は意外と少ないかもしれません。

と言うのも、朝など冷え込む時があるからです。

この18度以上というのは、朝も昼も夜もキープしたい気温なのです。

私の父の家は、天気の良い昼間でも10度くらいしかありませんでした。
これがいかに危険なことか。
もっと父にも理解してほしいものです。

少なくとも22度以上にはしたい

今回作った「安全温度計」ですが、緑(安全)になるのは22度以上に設定しました。

私の感覚としてですが、22度以上になればある程度快適になるからです。

ただ、父の家の作りだと25度以上にしないと快適とは感じないと思います。

窓も大きく、部屋の場所による温度差も激しいからです。

この辺りは、お家の断熱の仕方によって感じ方が大きく変わります。

断熱性能を上げて、室温を無理に上げないようにしたほうが快適かつエコな生活を送ることができるようになるのです。

安全温度計を5台、新たに作りました。

各部屋に置いて、各部屋の温度が分かりやすくなるでしょう。

V2.0は、部屋が暗くなると画面が消える機能が付いています。

これで、各部屋の温度差を減らすことを目指します。

新しい補助金が決まりました!

次年度の、新しい補助金の制度が決まりました。

これは、健康と省エネの両面を国が考えていることです。

結構な金額が出るようです。

新築も、リフォームも対応になりますので、ご計画がおありの方は検討されてはいかがでしょうか。

参考文献

  • WHO Housing health guidelines 2018(日本語訳に対する文責は野池政宏にある。 2020 年 9 月)
  • スマートウェルネス住宅等推進事業:断熱改修等による居住者の健康への影響調査 概要

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