今まで、どのように書こうかと考えていたのですが、
情報がまとまらないので書くことをためらっていたことがあります。
それが「マンション杭」の問題です。
この話は、まだまだ広がりそうですね。
私も、今まで以上に気をつけなくてはいけないと思い、
昨日、当社がいつも「地盤検査」と「地盤補強工事」を頼んでいる会社に事務所まで来てもらい
お話を伺いました。
説明をしてくださったのは、当社担当の「横田」さん。
わざわざ、千葉県の市川市から来てくださりました。
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この横田さんの会社、偽造が発覚してから
あのマンションの地盤調査をしているのだそうです。
それも、そこの担当者は、当社の前の担当の方。
少し、テレビにも写っていたと言っていました。
この会社は、住宅のプロ用専門誌「日経ホームビルダー」にも記事を書いていて
社会的な信用度も比較的高い会社です。
住宅で地盤補強が必要になった場合、
どのように工事をしているのかを聞きました。
説明する内容は、
当社で採用している方法です。
詳しい説明はここではできませんので、ご質問がある方はお打ち合わせの時に聞いてください。
住宅の地盤補強工事の場合、大きく分けて2種類あります。
・鋼管杭
・柱状改良
です。
◉「 鋼管杭 」
直径114.3mm、厚さ4.5mmの丸型の鋼管を地中に埋めていく工法です。
歴史もあります。
管の長さは一般的に6mを採用しています。
元々は12m有るのですが、運搬しやすいように半分に切っています。
現場では、2〜3人の職人が作業をします。
6m以上の深さまで杭を入れる場合には、途中で溶接してつなげていきます。
そのため、職人の内1人は必ず、溶接の免許を持っている人が同行します。
下の写真は、杭を入れているところです。
杭を回しながら入れていきます。
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杭は、大きな機械を使って打ち込むようなイメージもありますが、
音と振動がしてしまうので、住宅ではその工法は利用しません。
杭を打ち込む機械は2種類使っています。。
何が違うかというと、打ち込んだデータの読み取りです。
一つ目は、杭が硬質層(強い地盤面)まで届いたかを油圧計で目視して確認します。
こちらは、データを機械的に残すことが出来ません。
二つ目は、モニターで圧力などを確認します。
こちらは、機械的にデータを残す事が出来ます。
工事が終わると、このようになります。
余分な杭はカットします。
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鋼管杭は、硬質層に届いた時の重機への手応えやトルクの変化が表れやすく、
施工ミスが少ない方法です。
◉「 柱状改良 」
コンクリートのような物を柱状に地中に埋める方法です。
この工法は比較的新しく、使われるようになって20年くらいです。
少し手間がかかるため、価格は鋼管杭よりも少し高めです。
下の写真が工事風景です。
大きな機械で、コンクリートのような物を現場で作りながら地中に埋めていきます。
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下の写真が、完成した杭です。
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直径は500mmにもなるので、見た目の安心感は感じられます。
この工法は、打ち継ぐ事ができません。
そのため、深さは8mが限界です。
こちらの工法も、硬質層まで達したかはトルク変化で確認します。
モニターで見れるので、記録を残すことも可能です。
杭の太さが500mmもあるため、
摩擦を考慮した工法とする事も出来ます。
住宅の場合には、
一般的に基礎下から5mの深さまでが大切と言われています。
また、私が施工させていただいている範囲では、極端に深くて弱い地盤は稀なので
これらの工法で進めています。
「表層改良」という工法もありますが、
思ったほどコストも低くなく、なおかつ地盤の表面部しか補強してくれないので、
採用したことはありません。

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