建物は、それなりの構造計算が必要です。
何も考えず、経験だけでつくってしまうのは危険ですら有ります。
そこで、鉄骨や鉄筋コンクリート造のような大きな建物は
必ず構造計算をしなくてはいけません。
それも、構造の専門家に依頼するのが一般的です。
それだけ、複雑で難しいということですね。
では、木造はどのようにしているのでしょうか?
本来は、木造もある程度の構造に対する検討は必要で、
建物の審査を受ける「確認申請」の時には提出が必要なのですが、
「4号特例」と言う法律があり、その提出は免除されています。
ですので、木造の2階建くらいであれば、
構造など計算しないでも建てることは出来てしまうのです。
特に、最近の震災でも言われていることは、
今の基準で作られているお家は、
「地震等の影響を受けても、ほとんど被害は出ていない」
と言うことです。
被害とは、無傷と言うことではなくて、倒壊していない、と言う意味です。
では、それで良いのか?と言うと疑問も湧いてきます。
私は、そんな事も有り、
ずっと木造の構造をもう一度勉強したいと思っていたのですが、
なかなかそのような講習会が見つかりませんでした。
昨日、念願の「木造の許容応力度計算」セミナーに参加する事が出来ました。
場所は、東京の江東区、ちょっと間違えるとディズニーランドと言う場所です。
参加者は50人はいたでしょうか?
参加者の多くは、構造の専門家だったようです。
日程としては2日間。
印象的だったのは、
「木造建築は、考え出すと鉄骨や鉄筋コンクリートよりも難しい、」
と言っていたことです。
鉄骨や鉄筋コンクリートは、構造がシンプルに作るのが常識となっていますが、
木造は、構造がとても複雑。
工法も沢山あります。
なので、一つ一つ検証していくと、なかなか大変です。
そこで、国の方でも、このように計算して検証しなさい、と言うことを決めています。
それでも、すべての構造や形に対応出来ているわけではなく、
設計者による、と言う事も多いとあらためて感じました。
会場は「公益財団法人 日本住宅・木材技術センター」
上の写真の右手の建物です。
左手の手前の建物は、「耐防火試験室」
きっとここで色々な建材がどれだけ火に強いのか、試されるのでしょう。
奥の倉庫は「銘木館」と言って、貴重な材木を展示しています。
ちなみに、ホールの吹き抜けには、こんな巨木が展示してありました。
左下に人が写っているので、大きさがわかりますね。
木目が綺麗ですね。
樹齢700年の「楠(クス)」の木です。
3月には、やはり2日間かけてもっと詳しい構造を教わる予定です。
講師陣が、3人いて、
東京大学大学院教授、
東京大学大学院 特任助教授
東京大学大学院
という人達だそうです。
興味もありますが、ついていけるのか、さすがに心配にもなってきますね。
それにしても、最近私が出席する講習会では、
東大の先生が多いような気がするのは、気のせいでしょうか?