柱ができるまで、建築の仕事をしていても、なかなか見ることはありません。
私も、今回初めて見させていただいたので、紹介します。
とても大雑把ですが、大まかな流れはご理解いただけるのではないでしょうか?
まずは、山で伐採です。
と言っても、すでに木は倒されていますが、
倒れる瞬間はビデオで撮ってあります。
最後にそのビデオがありますので、見てくださいね。
場所は、大田原の方です。
民家のすぐ後ろの山の木ですが、とても良い木なのだそうです。
というのも、栃木県は全国有数の良木が取れる地域。
寒すぎず、暑すぎず、雪にも邪魔されず、
それがわかるのが下の切り口です。
一般的に、木の切り口を見ると、まん丸には育ちません。
だいたい偏心があるのですが、栃木県の木はそれが少ないのですね。
それに、木の根っこあたりは曲がっていることが多いのですが、
栃木県の木は素直に真っ直ぐに伸びています。
これは、珍しいのです。
このように伐採された木は、市場を通して材木の工場へ運ばれます。
この工場は、那須の方にある工場なのですが、
超銘木を扱う日本でも有数の工場です。
ここから、京都のお寺にまで材木を出したことも有るのだとか。
皮を剥かれた材木は、四角にカットされます。
1面づつカットするのですが、1面をカットするのに何回か切り分けています。
四角くカットされた材木は乾燥させられます。
下の写真が、乾燥する釜です。
木材の乾燥はとても技術が要ります。
以前は柱などには「背割」と言って、柱が割れてしまわないように先に切っておく
という技術を使っていましたが、今は乾燥の技術により背割が無い柱も出てきています。
最後に行うのが、製品検査。
材木を「金づち」のような物で叩き、音などで強度を判断します。
一般の柱では、ここまでの検査はしていませんが、
この工場ではしっかりと検査をしています。
さすがですね。
出来上がった材木は、このように積まれていきます。
なかなか壮観です。
この工場は、日本でもトップと言っても良いくらいの工場なのだそうです。
そんな凄い工場が栃木県にあるのです。
その理由は、それだけ栃木県で良い木が取れるから。
桧をつくっている友達もいますが、
彼の所のヒノキはとても高くてなかなか使えません。
他県の桧の方が安いのです。
でも、このような話を聞くと、高いのも仕方が無いのかもしれませんね。
それでは最後に、柱ができるまでのビデオです。
2分半ほどです。
この木は150年ほど育った木です。
江戸時代の頃に植えられた木が、今伐採されているのです。
いったい、どんな人が植えたのでしょう。