柱ができるまで、建築の仕事をしていても、なかなか見ることはありません。
私も、今回初めて見させていただいたので、紹介します。
とても大雑把ですが、大まかな流れはご理解いただけるのではないでしょうか?
まずは、山で伐採です。
DSC07945.jpg
と言っても、すでに木は倒されていますが、
倒れる瞬間はビデオで撮ってあります。
最後にそのビデオがありますので、見てくださいね。
場所は、大田原の方です。
民家のすぐ後ろの山の木ですが、とても良い木なのだそうです。
というのも、栃木県は全国有数の良木が取れる地域。
寒すぎず、暑すぎず、雪にも邪魔されず、
それがわかるのが下の切り口です。
DSC07949.jpg
一般的に、木の切り口を見ると、まん丸には育ちません。
だいたい偏心があるのですが、栃木県の木はそれが少ないのですね。
それに、木の根っこあたりは曲がっていることが多いのですが、
栃木県の木は素直に真っ直ぐに伸びています。
これは、珍しいのです。
このように伐採された木は、市場を通して材木の工場へ運ばれます。
DSC07965.jpg
この工場は、那須の方にある工場なのですが、
超銘木を扱う日本でも有数の工場です。
ここから、京都のお寺にまで材木を出したことも有るのだとか。
皮を剥かれた材木は、四角にカットされます。
DSC07995.jpg
1面づつカットするのですが、1面をカットするのに何回か切り分けています。
四角くカットされた材木は乾燥させられます。
下の写真が、乾燥する釜です。
DSC07976.jpg
木材の乾燥はとても技術が要ります。
以前は柱などには「背割」と言って、柱が割れてしまわないように先に切っておく
という技術を使っていましたが、今は乾燥の技術により背割が無い柱も出てきています。
最後に行うのが、製品検査。
材木を「金づち」のような物で叩き、音などで強度を判断します。
DSC07991.jpg
一般の柱では、ここまでの検査はしていませんが、
この工場ではしっかりと検査をしています。
さすがですね。
出来上がった材木は、このように積まれていきます。
なかなか壮観です。
DSC07978.jpg
この工場は、日本でもトップと言っても良いくらいの工場なのだそうです。
そんな凄い工場が栃木県にあるのです。
その理由は、それだけ栃木県で良い木が取れるから。
桧をつくっている友達もいますが、
彼の所のヒノキはとても高くてなかなか使えません。
他県の桧の方が安いのです。
でも、このような話を聞くと、高いのも仕方が無いのかもしれませんね。
それでは最後に、柱ができるまでのビデオです。
2分半ほどです。

この木は150年ほど育った木です。
江戸時代の頃に植えられた木が、今伐採されているのです。
DSC08003.jpg
いったい、どんな人が植えたのでしょう。

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です