今日は、阪神大震災の有った日だったんですね。
テレビや新聞でも大きく取り上げられる事も少なくなり、忘れてしまう所でした。
さて、阪神大震災が有ったのが平成7年。
多くの住宅が倒壊し、6000人以上が亡くなったと言うのは、
今だに信じられません。
しかし、その時の経験はしっかりと現在の建築に活かされています。
それでは、建築はどのように変わったのでしょうか?

まず、金物を使う事が多くなりました。
代表的な金物がホールダウン金物。
これは基礎と柱を太いボルトで直接止めてしまおうという物です。
この金物は、以前は3階建ての住宅にしか使用されていませんでした。
阪神大震災の時に幾つか見られた症状、
それは家が縦揺れや振動で飛んでしまい、基礎から外れてしまったと言う事でした。
そこから倒壊へとつづくのです。
4本くらいしか付けていない所もあるようですが、
当社では、多いと20本以上のホールダウン金物を使用しています。
これは、筋交い(構造体力壁)が、基準法の1.5倍も有り、
建物の強さと合わせて、その力をしっかりと基礎へ伝える為、
ホールダウン金物も多くなるのです。
ホールダウン金物は、建物本体の強度が増せば増す程多くなるので、
この金物を基礎工事中に数えれば、大まかなお家の強さを知ることができます。
下の写真は、よく使われる20kNの金物です。
DSC_1137.jpg
下の写真は、35kNの金物です。
ほとんど使用することはありませんが、とても強くなります。
柱に止めている金物に有るポツポツ(ネジ)の違いがわかりますか?
DSC_1138.jpg
ホールダウン金物を付けた事で問題も発生しています。
問題とは、家が揺れすぎて金物が基礎を壊してしまう事が有るのです。
これでは、なぜホールダウン金物を付ければ良いのかわかりませんね。
そこで、当社では基礎の幅を太くしています。
120mmで良い所を、150mm幅にしているのです。
ちなみに、筋交い(構造体力壁)の数は、阪神大震災前と後では差がありません。
それは、阪神大震災前に建てられた家でも、
当時の建築基準法に合って建てられたお家の倒壊は少なかったからなのです。
倒壊した住宅は、昭和56年の基準法改正前のお家がほとんどだったと言う事なのです。
阪神大震災は、実は現在の建築基準法が適度であると証明した地震でもあったんですね。

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