設計事務所に関する興味深い判決が出ました。
ただし、この判決に波紋があるという事に対して、非常に疑問を持ったのでお伝えします。
あなたは、お施主様です。
あなたが、ある設計事務所に建物の設計を依頼しました。
だいたいの間取りも出来て、工事予定額も出て来ました。
設計事務所で出してきた工事予定(予想)金額は、4500万でした。
ここまでの報酬として、設計事務所に385万円を支払いしました。
次に、
あなたは、その設計に対して2つの工務店から見積を取りました。
そうしたら、その工事に関する見積り金額は、7717万円と7780万円だったのです。
設計事務所から言われていた金額の約1.7倍です。
設計事務所へは、まだ130万円の残金があります。
あなたは、この事務所へ、残金も払いますか?それとも、設計を不履行としますか?
こんな、裁判が行われました。
判決は、
「確認した予算額を前提に、予定工事額に基ずく設計を行う責務を負う。
 予算額と予定工事額を確認せず、これらを大幅に超過する設計を行う事は、
 この契約における債務不履行だ」
というものです。
私としては、当然だと思います。
それは、この設計事務所の実施設計では、
施主は施工出来ず建て主になんら利益をもたらさないからなのです。
設計事務所は
「予定工事額は、報酬算定の目安にすぎない」
と言っているそうですが、これは言い訳になりませんよね。
このお施主様は、当然最初言われた4500万円で資金計画をしているはずです。
それが3000万円以上、いきなりかかる言われたら、怒るのは当たり前です。
ここまでの問題は、
「こんな事が一般社会で通る事は無いだろう、くだらない内容だ!」
で終わるのですが、もっと深刻な問題も含んでいます。
その点については、文章が長くなってしまったので、次回。
この内容は、「日経アーキテクチャー10月号」から引用しています。