名古屋城を見学する事は出来ませんでしたが、城壁の中にある「名古屋城 本丸御殿」が今年から公開されていて見学する事ができます。

「本丸御殿」は、もともと1615年に建てられ、1930年には国宝第一号に指定されました。

ところが、残念なことに1945年の空襲で消失してしまったのです。

再建の話が盛り上がり、2009年1月に着工されました。

名古屋城 本丸御殿

 

まるで「大河ドラマのセット」と言いたい所ですが、外観を見るだけで「これが本物」と言う気合いを感じさせてくれます。

名古屋城 本丸御殿

 

材料もこだわっていて、柱は長野の木曽檜と、岐阜の材料が使われています。

木曽は、徳川家の料地であったため、多く使われたのですね。

柱は、たぶん七寸(21cm)でした。

 

名古屋城といえば、金のシャチホコですが、この襖も負けていません。

名古屋城 本丸御殿

 

この、天井も豪華絢爛。

床の間も、違い棚も凄いですね。
ただ、意外と近代の和室と構成が一緒です。

名古屋城 本丸御殿

上の写真は、書院の窓から取りました。

書院は、昔は書き物のスペースと聞いた事もあったのでどのような作りになっているか興味を持って見ましたが、近代の書院とさほど変わっていない事に驚きました。

 

廊下にも、立派な彫り物の欄間が有ります。

名古屋城 本丸御殿

 

建具の引き手金具です。

名古屋城 本丸御殿

 

釘隠しです。
この裏側には、どのような釘が隠されているのでしょうか。

名古屋城 本丸御殿

これらの装飾金物は、全部で3000個くらい、手作りで作ったそうです。

 

外部との繋がりにも欄間を使っています。
朝とかは、雨戸を開けないでも、これで明るくなったのでしょうね。

欄間の名前は「花狭間格子欄間」

名古屋城 本丸御殿

 

雨戸ももちろん木製です。
鍵ではなくて、つっかえ棒で抑えるんですね。

名古屋城 本丸御殿

 

この中庭が良い雰囲気です。

名古屋城 本丸御殿

 

入り口と反対側の中庭から見た「本丸御殿」です。

名古屋城 本丸御殿

 

屋根は杉板を使っています。
3mm厚の杉板を、竹釘で止めました。
燃える前の写真を見ると瓦なのですが、ここは変えたようです。

それにしても、キレイな屋根です。

名古屋城 本丸御殿

この日も暑い1日でしたが、建物の中には冷房などありません。

それでも思ったよりも暑くなく、快適に見学する事ができました。

 

これだけの建物を見ても入館料は五〇〇円、安い!

いったい、再建費用はどのくらいかかったのか興味があったので調べた所「 150億円 」。
内、50億円分は寄付だそうです。

いや、予想以上にかかってますね。

 

面積が3100m2なので935坪。

と言うわけで坪単価は1600万円を超えています。

この建物を見ると、この金額が高いのか安いのか、わからなくなってしまいますね。

 

ちなみに、名古屋城の天守閣も再建予定ですが、こちらは「500億円」かかる予定です。

両方合わせると「650億円」。

スカイツリーの建設費が600億円ですので、それを超える金額になってしまいます。

 

スカイツリーの600億円が安く感じるのはなぜでしょう?

 

ただ、このような建物を作る事で、伝統的な技術を残す事も大切ですね。

それにしても、「本丸御殿」は今の建築基準法に適合していないような気がするのですが、何か上手にやったのでしょうか。

 

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